ニスをつくる

・アルコールとオイル
ニスには2種類あります。植物や動物由来の樹脂を、無水アルコールに溶かして作る、アルコールニスと、
樹脂を、乾性油とボイルして調合するオイルニスです。

樹脂の選択も深い沼ですが、どっちが良いか?、古い楽器にはどちらのニスが使われたかになると、
もう、紙面がいくらあっても足りない、底なし沼で興味が尽きないところですが、現代の作家の多くは、完成したニスを購入して、いかに美しく塗装するかという、工芸的な技術の方を重視しているようです。

アルコールニスは以前に作ったことがあるのと、オイルニスの風合いが好きなこと、17世紀には無水アルコールを精製する技術が未完成だった筈で、オイルニスが主流であった筈、との個人的な思いから、オイルニスの作り方を覚えたいと思っていました。

・オイルニスを煮る!
ニス作りは、リペア・レストアのカリキュラムには無いのですが、お願いしてトライをしています。

まず、市販の画材用リンシードを水洗い精製します。
一方で、コロホニウム(松ヤニ)を鍋で煮込んで、奇麗なカラメル色に煮詰めていきます。松ヤニには揮発性の成分が含まれているので、
鍋に入れて加熱すると、モウモウと煙と激しいガス化したテレピン(ターペタイン)の猛烈な刺激臭がします。
民家の密集した住宅街で迂闊にやると、大変なことになります。

何時間か煮込みをつづけると、煙とガスは減ってきます。色がついていく様子は、匂いを除けば、砂糖でプリンのカラメルを作るような感じです。

この煮込んだ松ヤニとリンシードを調合するとオイルニスができます。

オイルニスは油絵用のワニスとほぼ同じもので、楽器作りがワニスを買ってきて塗った思われます。油絵同様に、乾くには相当の時間がかかります。待つのは面倒なので、現代ではUV灯を仕込んだ乾燥箱で硬化を促進します。化の方に叱られそうなので補足すると、一般には乾くと思われてますが、分子が重合することにより硬化するプロセスです。



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